大判例

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東京高等裁判所 昭和63年(ネ)439号 判決

まず、抗弁2については、前記のとおり、宝次が本件保険に加入したのは前示貸金債務等の弁済に対する控訴人の不安を解消するためであったとはいえ、その保険料は控訴人自身が支払い、かつ、保険金を前示貸金債務の弁済に充てるとの明確な合意もされていないのであって、これらからすれば、右保険加入は弁済が受けられなかった場合に備えて控訴人がとったいわば自衛手段にすぎないものであり、保険金受領によって債務弁済の効果が生ずるものではないと解すべきである。≪中略≫

ところで、控訴人の本訴請求は将来の給付の訴に当たるが、弁論の全趣旨及び本件訴訟の経過によれば、被控訴人らは、控訴人と宝次との関係、控訴人の本件保険金の受領等の事情から、控訴人の本件請求に強い反情を抱き、弁済期が到来しても、その弁済をしない蓋然性が高いことが認められること、本件審理は被控訴人らの抗弁についても、被控訴人らの立証はもちろん、控訴人もその反証を提出し終り、判決をするに熟しており、予備的請求を却下することにより将来再度審理を繰り返すことは、控訴人にとって酷であるし、訴訟経済の点からも相当でないと考えられることを勘案すると、当審口頭弁論終結時においては、予めその請求をする必要がある場合に当たるというべきであり、かつ、これについて当審で自判するのに適するということができるから、控訴人の予備的請求を認容すべきである。

(丹野 加茂 新城)

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